バーバラの午睡

主婦の気晴らしお楽しみ。例えばメイドカフェとか。チョコミントとか。

QUEEN DOLCE 活動休止に思うこと

【2020年3月】

秋葉原で男装カフェとして最初にオープンしたお店、QUEEN DOLCEが、3/22を以て活動を休止しました。
率直に、悲しく切ない。

 

私は、秋葉原の色々なメイドカフェに行く中で、秋葉原には他にも面白いお店があるらしいよ?という事で、QUEEN DOLCEに足を踏み入れ、その居心地の良さに何度かお店を訪ねていました。

 

QUEEN DOLCEは、私にとって「日常的に味わえるプチ非日常」でした。
イケメンな男装さんが接客してくれるカフェという、他には余りない体験が出来る場所でありながら、それでもゆるく、のんびりした雰囲気もある、不思議な空間でした。

 

私がお店に行っていた回数はそれ程多くはありません。
それでも、行く度に名前を呼んで出迎えてくれる、ギャルソンの皆さんの笑顔が本当に嬉しかったです。

 

ギャルソンさん達は皆すごく格好良くて、優しくて、話し上手で、そして何より聞き上手でした。
彼らは皆、私のとりとめない話も愚痴も、ニコニコしながら聞いてくれて、共感してくれました。
こちらのお店は1時間1オーダー制なのですが、入店後1時間程して、「次のオーダーの時間だよ」と言われると「えっっそんなに時間経った?」と毎回同じ事を言っていました。
訪問すると1時間では物足りず、大体は2時間滞在していました。
それでも毎回、帰る時には後ろ髪を引かれる思いでした。

 

更に、このお店の素敵なのは、ギャルソンさんの接客の素晴らしさに加えて、お客様同士も気軽に話せる雰囲気がある事です。
カウンターで、隣の席の方との会話に花が咲き、それにギャルソンさんも混じって、楽しい時間を過ごす・・・という事が何度ありました。
そういった、たまたま同席した方々でもフランクに話せる、ゆるい連帯感のような空気が、あの場にはあったように思います。

 

活動休止の告知がされてから、私は何度かお店に足を運び、その都度色々な方とお話ししました。
皆さんと一緒に残りわずかな日々を惜しみつつ、それでも楽しく会話が弾みました。
お店に足繁く通っている方でも、常連風を吹かすような事は全く無くて、分け隔て無く接してくださいました。
本当に本当に、このお店のお客様は皆さん、優しくて楽しくて面白い、素敵な方ばかりでした。

 

そういった方々が集まるこのお店と、その空間を作り上げていたギャルソンの皆さんの存在は、本当に他に代えがたい物だったのだ・・・と改めて思います。

 

それと細かい事ですが、提供されるドリンクのグラスやカトラリーに、常に曇りや汚れがない事に、いつも感心していました。
また、お手洗いもいつも清潔に保たれていました。
こういった細やかな気遣いが、安心感と、居心地の良さに繫がっていたと思います。

 

休止間近、お店にいらしていた皆さんが、口々に「ここがなくなったらどこに行って良いか分からない」と仰っていたのが印象に残っています。
お喋りをしたり、物思いに耽ったり、読書やゲームを楽しんだり、ゆったりドリンクを味わったり・・・。
ゆるくまったりと、人それぞれの楽しみ方が出来るあの場所が、なくなってしまうのは切ないです。
・・・出来れば、形を変えてでも、あの場所が戻ってきてくれたら本当に嬉しいのですが。

 

コンセプトカフェ激戦区の秋葉原で、オープンから1年も経たずクローズするお店も多々ある中、13年もの長きにわたってお店が続いたのは、本当に素晴らしい事です。
QUEEN DOLCEというお店が秋葉原にあってくれた事と、一時でもその場にいる事が出来た幸運を、本当に嬉しく思っています。
素敵なギャルソンの皆さんと、素敵なお客様の皆さんに会えた事が、奇跡のように感じます。

 

休止は本当に寂しい事ですが、最後のイベントのタイトル「See you again」を、今は噛みしめたいと思います。

 

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カウンターでオリジナルティーを頂く時間は、至福でした。