バーバラの午睡

主婦の気晴らしお楽しみ。例えばメイドカフェとか。チョコミントとか。

メイドカフェ探訪記_取る物も取り敢えず、シャッツキステ

【2020年6月】
昨夜、シャッツキステ閉店の報を受けて、居ても立ってもいられず、今日お店に行ってきました。
それでもって、お店の中でブログ記事を書き上げました。
表記の乱れや細かく直したい所はあるけど、敢えてそのまま上げます。
「あの場所で書き上げた」という事が、大事な気がするので。



今、シャッツキステの、メイドさんのテーブルの脇の席でこれを書いている。
シャッツキステ閉店」
Twitterで告知されたそのお知らせを聞いた夜、体の中の何かがうしなわれ、そこがぽっかり空洞になったように思えた。

閉店時期は流動的で、12月から3月までの間だという。
まだ時間はある。あるけれども、その時間があっという間に過ぎてしまうことも、私は知っている。
混乱した気持ちを抑えられず、明くる日、仕事が休みなのを幸い、シャッツキステの開店時間に合わせて店を訪問した。

「お好きな席に」と言われ、メイドさんのテーブルの横の席を選んだ。紅茶は温かいものを頂くことにする。
こんな素敵な空間がなくなるという、その事が受け止められず、せめても目に焼き付けておかなければ…と店内を見回す程に、涙か滲んでくる。中高年の涙腺弱い。
茶店店内で一人しくしく泣くおばさんというのもなんだか気味が悪いと思うので、こうやって文章を書いて心の乱れを紛らわせている。

擦れた木の床。白く塗られた壁。どっしりとして、少し手擦れしたテーブル。不揃いの木の椅子。くすんだ暖炉。いつも見上げた時計。本の詰まった本棚。あちこちに飾られた、小さな花や人形。
その中を泳ぐように、ゆったりと店内に気を配り、お給仕するメイドさん
あの席は長女と来たし、あの席は次女と来たなあ。

だめだ泣く。すいませんほんとに見逃してください。
涙腺の壊れた中年に、メイドさんが折を見て注いでくださる紅茶は、染み入るように優しい。
そして、今日はお昼を食べていなかったので、ジンジャーベーコンスープをいただきました。これまた、沈む心に寄り添うような、しんみり、じんわりとした味わいがする。
スープもうまいけど、添えられたカボチャサラダがうまいなー。レシピ教えてくんないかな。

そして食後、やっぱりスコーン食べておきたいよな・・・と思って、オーダーする。
今日のお味はアールグレイ。そう、一番食べたかったお味。
ジャムはラベンダーとベリー。クロテッドクリームも添えてもらう。
ぐすんぐすんしながら紅茶を飲んでいたら、メイドさんから「今焼いておりまして、後10分位掛かりますがよろしいですか?」と聞かれる。
ということは、焼きたてが頂けるのね。なんという僥倖。勿論了承する。

そしてしばらくして、運ばれてくるスコーン。相変わらず目にも美しい。
アールグレイの香るほかほかとしたそれを二つ割りにして、香りの良いジャムと、クロテッドクリームをたっぷり乗せ、大きく一口。

えーん、おいしいよう。えーんえーん。(マジ泣き)
口の中でほろりとほどける、アールグレイと小麦の優しい風味。そこに加わる、ラベンダーの香りとブルーベリーの甘酸っぱさ、うまさを後押しするクリームのねっとりしたコク。
幸せです。悲しいけどおいしいです。本当に。
そうしてスコーン(大きい、ボリュームがある)を食べきる頃には、少し気持ちも落ち着いた。

そしてまた、紅茶を飲んでいる。
もう、入店して1時間以上経つのか。信じられないな。 居心地が、良すぎるんだよな。
紅茶がなくなると、ちょうど良すぎるタイミングで、注ぎにきてくれるメイドさん
館内を低く流れるバイオリン曲。
暖かな照明。
ああ、やっぱり大好きだなあ、ここが。

閉店と聞いてせっせと通うというのもどうなんだ・・・という自己嫌悪、あるいは原罪感に似たような気持ちの乱れはあるけれど、それでもやはり後悔はしたくないので、閉店までに機を見てまた参ります。
今日もごちそうさまでした。

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