バーバラの午睡

主婦の気晴らしお楽しみ。例えばメイドカフェとか。チョコミントとか。

メイドカフェ、コンセプトカフェ、そして純喫茶。その2

【2021年1月】
さて、秋葉原カフェ界隈についての話。前回からの続きです。

<その2>

私は中年女性、いわゆるオバサンである。
それでも、メイドカフェ・コンセプトカフェという、可愛い衣装を着たメイドさんが笑顔で接客してくれるという場は楽しい。
なので、周囲には折に触れ秋葉原メイドカフェとかコンセプトカフェって楽しいよ!」と言ってきた。

しかし、最近の秋葉原は、以前と様相が違ってきている。
アキバの街を歩くと、最近目立つのは「○○分飲み放題○○円」の文字や、店名等を表記した、小さいボードを持っている、メイド服姿の女の子達。
私は実際にそういった「ボード系女子」のお店に足を運んだことがないので、伝聞による情報しか知らないけれども、そういったお店では、客側が飲み放題で飲むドリンク以外に、接客する女の子達に別料金でドリンクを奢って、客と女の子が共にドリンクを飲みながらのコミュニケーションを楽しむらしい。
こういう業態は(これまた行った事はないけど、聞きかじった限り)ガールズバーという店に近いように思う。

最近はこういう「メイド姿の女の子がガールズバー的な接客をする店舗」を指して、「コンセプトカフェ=コンカフェ」と呼ぶ流れが、アキバ界隈に生まれているように感じている。
ただ、少し前まではメイドカフェとよく似ているが、妖精とか学校とかモンスターとか、メイド以外のコンセプトを持つカフェ」が、メイドカフェと区別する意味合いで「コンカフェ」と呼ばれていた。
その為、最近の界隈の状況は、非常に混沌としていて分かりづらい。
「従前からのメイドカフェ・コンセプトカフェ」に通っていた方々が、この状況に困惑している様子を(主にTwitterで)見かける。
私もその困惑組の一人である。

ところで、その困惑している立場からの疑問なんだけれども。
「女性店員が客と共に(主にアルコールを)飲みながら、多くが1対1での接客をするお店」って、それは果たして「コンセプト”カフェ”」なのだろうか?

一般的な認識として、「カフェ」という言葉そのものは、「コーヒーや紅茶等の飲み物や軽食を提供する、来店対象を特に限定しない飲食店」を指すと思う。
そこから転じて、アキバではメイドカフェ、コンカフェがあまたあるけれども、私の訪問した多くの店が、アルコールもあるがソフトドリンクのメニューも豊富で、男女や年齢層を問わず楽しめる、カフェとしての要素を備えた店舗であった。

でも、昨今のアキバの「新潮流のコンセプトカフェ」は、来店するのは「アルコールを飲む事と、店員にドリンクを奢って接客を受ける事を目的に来る男性客」が大半で、それ以外の層はほぼターゲット外、という現状がある。
それは・・・「カフェ」ではなく、接待有りの飲み屋さんではなかろうか。というのが、私のモヤモヤしているポイントである。

「可愛い女の子と楽しく話しながら、親密にお酒が飲める」という場所が、多くの男性の皆さんから支持を受ける事、男性の多い街・秋葉原にそういう店が増えるという事は分かる。
賃料の高い秋葉原という土地で、カフェ業態よりもより客単価の高い、バー業態の店が増えるというのも理解出来る。

でも、それならば「コンカフェ」ではなく、「メイドコンセプトのガールズバー」でいいのでは?
・・・という事を、ここ最近ずっと疑問に思っているのだ。

女性店員さんの接待的な接客があり、アルコールを主に提供しているけど、店名には「カフェ」を冠していて、店員さん達はメイドさんの格好をしていて・・・というのは、「一体どんな店なのか」というのが非常に分かりづらい。
お店の業態の識別がしづらい今の状況は、単純に誰にとっても不便だろう。
そこの所は、もう少し明確な、実態に即した表現にならないんだろうか。

そして以下は、私のより個人的な考えである。
こういった「各店の見分けは、予備知識がないと到底無理」という現状では、この状況を知らない相手に「メイドカフェとかコンカフェって楽しいよ!アキバ行ってみるといいよ!」と気軽には言いづらい。
アキバには大好きなお店、楽しいお店が沢山ある。それなのに、「分かりづらくて近寄りづらい」状態になっている今が寂しい。
そして、アキバに多少は慣れ親しんだ私でも、「カフェ」を名乗るお店に、中年女性たる自分が果たして行って良いのか、判断が付かない状況が、アウェイ感を加速させてこれまた寂しい。
また、「下戸の中年女性が、同性の友人や子供と一緒に行っても楽しく過ごせる」という、メイドカフェ・コンカフェという希有な業態の店が、お酒と女性の接待を提供するタイプの店に取って代わられてしまうのではないか・・・という事も心配になっている。
これらは全て、私が一人、心の内に思っている事であるけども・・・。

さて、話は変わる。
「カフェー、喫茶店」という、コーヒーや紅茶を提供する店舗は、明治の後半に生まれたという。
それが、しばらくすると、女性店員がチップを取って客の隣に座り、接待的な接客(時には接触を含むような)をする店が乱立するに至る。
・・・どこかで見たようなこの構図。
歴史は繰り返すのだな、もしかたらその過渡期に私は立ち会っているのかもな・・・と思ったりする。

ところで、その昔「接待的な接客をする店」に対し、「過剰な接客はない、飲食を提供する事を主目的とする店舗」という意味合いで「純喫茶」という名称が生まれた、のだそうだ。
「カフェ」に行きたい身としては、だったらいっそのこと、「接待有りの喫茶店」に対する「純喫茶」的な、「老若男女ウェルカムな、カフェ業態のメイドカフェ・コンカフェ」が、一目でそれと分かるような名称が生まれてくれないかなぁ・・・と思う、今日この頃なのであった。



と言うことで私の長文語りは終わりです。長かったなぁ。
拙い文章でしたが、お読みいただいた方はどうもありがとうございました。
何度も申しますが、これらの文章は各店に対する批評や評価付けではなく、あくまでも現状についての私の個人的な感想と考えです。よろしくお含み置きくださいませ。