バーバラの午睡

主婦の気晴らしお楽しみ。例えばメイドカフェとか。チョコミントとか。

俳句・句会と心の自由について

そちらこちらで言っている事ですが、私の趣味の一つが俳句です。
昔会社員だった頃、上司が俳句にハマっていて、面白そう〜と上司にくっついて句会にしばらく通い、その後結婚/出産で遠ざかってたのが、TBSの「プレバト」という番組を見て、俳句懐かしー!またやりたいな!と思って、再度始めて今に至る・・・というのが私の俳句歴。

まあそんな事はどうだっていい。
俳句って面白いからみんなやると良いと思うけど、それもどうでもいい(いや良くない、みんな俳句やろう。楽しいし)
今回言いたい事は「俳句・正確には句会で私が学んだ事」なんですけど。

俳句は、勿論自分だけで作るのも良いんだけど、みんなで集まって行う「句会」というのがある。
段取りは概ねこんな感じ
1)参加者は自分の作った俳句を持参する。それを全員分まとめる。
2)誰が誰の句か分からない状態にして、各自自分が「良い」と思った句を選ぶ。
3)誰がどれを選んだか、選んだ句のどこが良かったかを発表し合う。
・・・というのがおおまかな流れ。(句の出す数、選ぶ数とか、発表の仕方とか、細かいローカルルールは各会あるけど)

でもって、その「選んだ句のどこが良かったかを発表し合う」という事が、今日の一番言いたい事の鍵なんですけど。
俳句って、ご存じの通り、5・7・5の17音しかないから、当たり前だけど詰め込める情報がそりゃまぁ少ない。
その為、「作った人の作意と、読み手側の受け取り方が違う」って事は日常茶飯事に発生する訳です。
でも、句を選んだ人が、その「作り手側の作意」と違った意図で選んでも、選んだ理由を聞いた作り手が「えーそういう意味に取ったんだ、面白ーい!」「なんならそっちの意味ってことでいいかも」みたいな自由な風潮が、句会にはあるんですよ。
(いやでももっと堅い所もあるのかも知れない・・・でも少なくとも、私が今参加している所2つは、どちらも解釈はとても自由。他もそうなんじゃないかな・・・多分)

私の俳句の師匠が折々に、「句は発表した時点で自分の手を離れるから、そこからは読み手の解釈に任せること」と仰るんですが、まさにこれが句会の空気感を表してて、とてもいい言葉だな・・・と。

だって、少なくとも「読み手が、その俳句を読んでこういった感想を持ったり感情を持ったりしました」というのは、誰にも曲げられない事じゃんね。
拙くても浅くても、読み手の心がそういう形に波立ったことは変わらないのだから。

とか言いながら、実は、私も句会出始めの時にはビビってたよね。
句の意味を説明されて「あっ・・・そういう意味だったんだ・・・違う方に考えてたわ・・・言わなくて良かったセーフ」とか。
でも、今思えば、そんな事思わなくて良かったのよ。

という事で、「感想が自由に言える」という環境に慣れてから、私は句会は勿論、他の例えば美術鑑賞でも読書感想でも、自分の考えを「これって解釈が違うんじゃ・・・」と思う事を止めるようにしました。

私は美術の勉強なんて全然したことが無くて、現代アートの鑑賞も、子供が小学生の頃の夏休み、涼しくてお安く過ごせる所を求めて、美術館の子供向けプログラムに行ったりしてるうちに楽しくなったっていう程度で、知識なんてまー全然無いに等しいですけども。

それでも、Xなんかで、行った展示などの感想を率直にポストするのは、上記のような気持ちが支えになってるからです。
何かを鑑賞したときに、鑑賞者が出来る数少ない事柄が、自分のその心の波立ちを作り手に伝える事では無いかと思って。
(あっでもこれ合わないな、ちょっと私にはハマらなかったな、というのはわざわざ言わないけどね)

うろ覚えだけど、角田光代さんが以前どこかのエッセイで「小説は、書き手が書くだけでは完成せず、読み手が読んで、その心が何かしら動く事で完成する」というようなことを書いていらして(うろ覚え)、今思えば小説の本質をこれだけの文章で表されるのがさすがすぎると思ったんですけど。

俳句でも小説でも美術でも、誰かが読まないことには何も起きないですものね。
そしてその「起きること」は必ずしも作り手の意図とは違うかも知れない。
でも当たり前だけど、人間とその心って千差万別だから仕方ない。

ちなみに、以前好きだった美術作家が「自分たちの作品に対する批評で、取るに足らないと思ったものは相手にしない」と公言していたのを見た事があって、例えそうであっても自分のそれは心の中に留めておけば良いことであって、公言するなよと。
「こんな風に言われたプンプン、違うのに」とか思うなら、作品はお友達同士で「これ良くない?「いいよね」ってするだけにしとけばいいのに・・・と思ったり。
で、なんかムッとしてその作家の作品を追うのを止めたよね。私も大概心狭いね。

閑話休題
とにかくみんな、自分が読んだものや見たものの感想はどんどん言っていこうぜ!って話でした。
これだけの事まとめるの下手くそすぎかよ。終わり。