屋根裏訪問の話。長くなりましたがこの項で終わりです。
(前の話はこちら)
さて、室内のあちこちには、シャッツキステをテーマにした同人誌や、思い出のアルバム、訪問した方々が記した思い出ノートなど、貴重な資料が沢山が置かれていました。
皆さんでページをめくりながら、この世界に浸ります。
アルバムの表紙には、こんな可愛らしい刺繍が。
ところで、この屋根裏にある家具や調度品は全て、あの狭い暗い階段を、メイドさん達で運んできたそうです。
大きいカップボードが置かれていましたが、それも上半分と下半分に分けて運んだとか。
そして、屋根裏も、今営業している図書館も、壁や床など含めた内装は、全てメイドさん達が手掛けたそうです。
塗り跡に温かみのある壁や梁と、擦れた感じの可愛らしいベランダへの階段。
「シャッツキステには、大きい電動のこぎりもあるんです」
「作業の時にはつなぎを着て、大きい荷物とか運んで」
「後輩のメイドが、メイドになって『こんなはずじゃなかった』と思ってなければ良いんですけど」
と楽しそうに語るアオイさん。
ゆったりとした時間が流れ、図書館のお店と同じく、丁度良いタイミングで注がれる紅茶。
一緒にいただくクッキーも、ものすごくおいしい。
それからお菓子の話になり。
「スコーンを作っても、シャッツキステのあのオーブンで焼かないと、やっぱり違う物になる気がするんです」
と柔らかい口調でお話しなさるシズクさん。
他にも、
「お店がなくなっても、”シャッツキステ”という存在が無くなるわけではないので・・・」
「ここはメイドがいますけれども、お客様は旅人さまという位置付けで、ご主人様とメイドという上下関係ではなく、フラットな関係なのが、余り他にはないかも知れないですね」
「萌え系のコミュニケーションがあるメイドカフェ、クラシック系のお給仕に徹したメイドカフェがあって、シャッツキステはそのどちらでもない第3の存在と言われます」
などなど、メイドさんお二人が話してくれました。
二人のお話し振りは、優しく穏やかで、でも明るく楽しくて。
皆が寛げる、和気藹々とした空気がそこにありました。
ああもうね。これなんだよなー。
シャッツは何もかも素晴らしいけれども、やっぱり、メイドさん達が何より素晴らしいと、私は思うよ。
そして勿論この内装、インテリア、紅茶の味、クッキーの味。どれも最高に素晴らしい。大好きです。
お目に掛かったことはないけれども、エリスさんという方のお持ちでらっしゃる、精神性というか、信念のようなものが、存在する物全て、細部至るまですっかり行き渡っていて。
そしてそこに、共感を越えて、共鳴しているメイドさん達が命を吹き込んでいる・・・というのが、他では味わえない「シャッツキステという空間」なのだろうな・・・。
そんな事を思ったのでしたよ。
見る物聞く事全てに、しみじみと感動して、思い入れを伺ったり語ったり。
そんな夢の様な時間があっという間に過ぎ去って。
気付けば、1時間半という時間が過ぎようとしていました。
ああもう、濃かった。
あっという間なんだけど、ゆったりしていた、不思議な時間でした。
お会計となり、シャッツキステのポイントカードにもポイントを付けていただいたんですけど。
戻ってきたポイントカードに、シズクさんのメッセージが書かれていてね。
そこには、「いつも心にシャッツキステを」ってあったんです。
それを見た瞬間泣きました。(これ書きながら又泣いてる)
こんなに人々の思いが詰まった、温かい空間にお招きをいただいたことは一生の思い出です。
私は今日ここに来たことで、来る前の自分とは違う自分になったような気がしています。大げさだけど。
良い経験をさせていただきました。ありがとうございました。
またいつか、その鍵が使われる時が来るまで。